第11回日本抗加齢医学会総会
5月27日から29日の3日間、京都にて第11回日本抗加齢医学会総会が開催された。 あいにくの雨模様にもかかわらず、多くの参加者による活発な議論が交わされた。
今回の学会でも、メタボリックシンドロームのメカニズムについての研究報告が多くみられた。メタボリックシンドロームという言葉は既に広く普及しているが、そのメカニズムについて、日々、新しい発見がなされている。近年の研究では、メタボリックシンドロームの病態の一つとして、脂肪組織のリモデリング機構、即ち、脂肪組織における炎症の慢性化と、それに伴う組織の不可逆的変化が注目されているようだ。
女性ホルモン、男性ホルモン、メラトニンといった、内分泌系に注目した研究報告も多く見られた。老化に伴うホルモン分泌の低下は、更年期障害や睡眠障害、基礎代謝の低下など、様々な身体の不調の原因となっており、抗加齢を語る上で重要なファクターである。その他、全体的な傾向としては、アンチエイジングにおける運動の重要性を訴求する演題が年々、増加している印象をうけた。
今回、我々F.M.L.は「双子(一卵性)の男性型脱毛症患者11組の治療経験」という発表をおこなった。加齢に伴う頭髪の悩み、特に加齢に伴う脱毛症は本学会においても関心事のようで、他に「フラ―レンの外用剤の毛成長に対する効果の検討」(大阪大学医学部皮膚科)、や「ヨード卵抽出脂質の効果の検討、特に発毛・育毛に関して-in vitroでの検討-」(日本農産工業(株)、聖マリアンナ医科大学)などの発表がみられた。